代表の挨拶Greetings

「大切」にしつつ「育てる」

クラウドバンクグループは、「資産を育む体験をすべてのひとに」をグループミッションに掲げております。「育む」という言葉には「大切に」かつ「育てる」という意味があります。そこには、皆様の大切な資産を「大切」にしつつ「育てる」ことをサポートしたいという思いが込められています。

近年、クラウドファンディングという言葉が市民権を得てきておりますが、当社はその中の貸付型クラウドファンディングを中核事業としております。この場を借りて、なぜ「貸付型」クラウドファンディングを中核事業としているかについて簡単にご説明したいと思います。

現在、銀行預金は預金保険機構が一定額までは全額保証※1してくれます。まさに資産を「大切に」したいならば銀行預金に勝るものはないと思います。一方で、預金金利は定期預金でも高くて年利0.2%です。もし100万円を年利0.2%で1年預けたとすれば、利息は2000円にしかなりません。これでは「育てる」とはいえないのではないかと思います。個人年金保険も同様に「大切に」というニーズは満たしているかもしれませんが、それでも年利換算で0.5%程度、まさにローリスク・ローリターンです。

では資産を「育てる」ためにはどうすればよいのでしょうか。今皆様の回りを見回してみて「育てる」選択肢としてどのような商品があるでしょうか。上場株式投資でしょうか、それとも投資信託でしょうか、それとも未上場企業の株式でしょうか。これらは上手に投資すれば相応の利益を上げることができるでしょう。しかし、株式も投資信託も株価が下がれば元本が毀損してしまいます。これはいわゆるキャピタルゲイン型投資の宿命です。つまりハイリスク、ハイリターン型の投資です。ローリスク・ローリターン型の銀行預金・年金保険とこれらハイリスク、ハイリターン型の投資との中間的な投資はないのでしょうか。実は、融資型クラウドファンディングこそ、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用の選択肢となりうるのではないかと当社は考えております。

では、融資型クラウドファンディングにおける資産運用とはどれくらい資産を「大切に」運用しているのでしょうか。融資なのでキャピタルゲイン型に比べると元本は確保されているとはいえ、融資先からその元本の返済が行われないリスクは当然あります。実は、融資型クラウドファンディングは歴史が浅いため、業界全体のルールとしてはまだ未整備な部分が多く、そのリスクを軽減するためには、どうしても社内ルールに頼らざるをえないところがあります。そこで、当社グループの特徴としましては、貸金業の登録をしているクラウドバンクフィナンシャルサービス株式会社を当社の完全子会社としてグループの管理下に置くことで、投資・貸付両面から商品の統制を行うことが可能であると考えており、例えばクラウドバンクフィナンシャルサービス株式会社では元本価値に相当する担保がない案件に対しては原則貸出を行わないことを社内ルールとして定めております。

また、第一種金融商品取引業者でもある日本クラウド証券が募集取扱いを行っていることを挙げさせていただきたいと思います。第一種金融商品取引業者とは、いわゆる証券業を行うことができる会社のことであり、第二種金融商品取引業者と比較すると、資本金・純財産額・自己資本規制比率や他に行う事業に関して規制が厳しいものとなっています。実は融資型クラウドファンディング事業自体は第ニ種金融商品取引業のみで行うことが可能なのですが、監督官庁である金融庁および財務局より非常に厳しい内部管理態勢の構築を義務付けられている第一種金融商品取引業者として実務を行っており、第一種金融商品取引業者として財務局や証券取引等監視委員会の検査を受けております。直近の検査を例にあげますと、当社はこの3年間で2度の検査を受けております。もちろん監督官庁より指摘や指導を受けるところもありますが、厳しい検査を受けることは、むしろ当社の管理態勢の強化につながるため、お客様にとっても会社にとっても非常によいことであると思っております。

これらは、当社グループの考える皆様の資産を「大切に」運用している一例ですが、まだまだ未成熟な貸付型クラウドファンディング業界における業務管理態勢のロールモデルとなるべく、内部管理態勢の強化とシステムの改良に継続的に取り組んでおります。

クラウドファンディング市場は今後さらに成長することが予想されています。クラウドバンクグループは、これらの成長機会を着実に取り込む社内態勢を構築し、持続可能な競争優位性を確立することによって、資産を育みたい人と融資を必要としている人、双方のお役に立てるよう役職員一同努めてまいります。

今後とも、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

代表取締役社長 金田 創